飯田泰之・経済学講義

synodosレクチャーで飯田泰之先生の経済学入門講義を受けてきた。すげー面白くて興奮!飯田先生ってものすごく頭のクリアな人ね。今回の講義で本を作るのだそうです。というわけでボランティア的な位置づけで無料。こんなにおいしいことがあっていいのか。来週、もう一回あるので楽しみ。
以下、Twitter(@sumaus)でつぶやいた自分用備忘メモ。

  • 経済学の出発点は希少性(皆が好きにもっていくと足りなくなる)と方法論的個人主義(いいか悪いかは別にして、それぞれが自分の損得勘定で行動すると考える)。これを言い換えると、つまり経済学とは全て「制約付最適化問題」である。
  • 制約付最適化問題としての経済学はリカードから。比較優位の原理(各国が機会費用の小さいものに完全特化すると世界全体の生産量が最大化される)機会費用とは何かをする時に裏で犠牲になる人・物・金のこと。リカードの制約式が不自然なので実際完全特化が一番いいとは限らないけど。
  • 消費者理論。消費者は予算制約の中で効用(満足度)を最大化する。XとYを買う時、「いくつずつ買えるか」と「いくつずつでどれくらい嬉しいか」。1円当たりに得られる満足度が同じになるような組み合わせで買うのが賢い買い方。あと1円あれば絶対こっちを買う!という状態は最適ではない。
  • 上級財・下級財の話(これ面白かった!)金持ちになるほどたくさん買うもの(上級財)と、買わなくなるもの(下級財)とがある。たとえば発泡酒は下級財。
  • あるモノの需要に影響を与えるのは、それ自体の価格・他財の価格・予算(所得)の三つ。この三つは独立ではない。価格変化そのものによる効果(値段が安くなると需要が上がる)を代替効果、事実上の所得の変化(値段が安くなると給料が上がったのと同じ事になる)による効果を所得効果という。
  • 生産者理論。生産者は技術制約の中で費用を最小化(→利潤を最大化)する。で、実はここからの話がよくわかっていない。
  • あるモノを生産する個数がすごく少ないと費用が高くなり、多く作るほど安くなる(規模の経済)。しかしある一点を超えると、多く作る方が費用がかさんでいく(規模の不経済)。作るのに向いていない人も作ることになったりするから。私がピンと来てないのはこの規模の不経済のところ。
  • どうしてもたくさん作った方が安くなりそうな気がするんだよね。あ、大規模な設備が要ったりするから?うーん。競争的な市場では作るほどコストがかさむような領域でないと商売にならないらしい。競争の話は次回あるそうなので、それを聞いたらわかるかなぁ。
  • 代替効果と所得効果の例で、賃金が上がると働きたくなる(代替効果)けど一定以上になると逆にもう働かなくていいやと思う(所得効果)っていう話があった。最初よくわからなかったんだけど、余暇は上級財だと言われて突如納得。あの瞬間の「あ!わかった!」という感じは久々に味わった。
  • 飯田先生の経済学、入門ってことで数式を使わずに説明してくださったので、なんとかついていけた。先週のCoREFのワークショップではないが、「聞く」だったから結構わかった(ような気がした)のだと思う。同じ内容を本で読んだら絶対に挫折してる。でも今読んだらすごく頭に入りそう。