夜と霧 新版

夜と霧 新版夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル
池田 香代子

みすず書房 2002-11-06
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心理学者、強制収容所を体験する。抑えた筆致で淡々と描かれる収容所の悲惨さ。しかし彼はその極限状況においてなお残される人間の自由と希望を見る。

被収容者を対象とした心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは、ニーチェの的を射た格言だろう。
「なぜ生きるかを知っている者は、どのように生きることにも耐える」

人間とは、人間とはなにかをつねに決定する存在だ。人間とは、ガス室を発明した存在だ。しかし同時に、ガス室に入っても毅然として祈りのことばを口にする存在でもあるのだ。

一生に一度は読んでおかねばならない本だった。巻末の旧訳者のことばも良い。★★★★★。