欲望としての他者救済

欲望としての他者救済 (NHKブックス)欲望としての他者救済 (NHKブックス)
金 泰明

日本放送出版協会 2008-09-24
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個人は相互承認の欲望にもとづき他者に手を差し伸べる。それでこぼれ落ちるものについては、義務としての他者救済を引き受ける政府やNGO・NPOがあり、市民としてはそれらの機関を支えねばならない。
助けたいから助ける、それは相互に認め合いたいからだ。という筆者の主張、言われてみれば何て事ない気もするのだが、しっくりきた。
本文後半で引用されている石原吉郎の「共生の思想」は強烈だった。抑留中に生き延びるために共生の掟が生み出されていくという。それは、本当に、そうなんだろうな、と。