男性学(日本のフェミニズム別冊)

最近大学にも置かれるようになった「女性学」だが、この言葉にはずっと違和感を感じていた。ジェンダーにも女と男があるのに女性だけ特別扱いすると、不必要に問題を限定してしまうのではないかいう気がして。しかし「男性学」というのもできてきたようで、そうこなくっちゃ、という感じである。

男性学 (日本のフェミニズム 別冊)

男性学 (日本のフェミニズム 別冊)

この本は著者が全員男性(上の情報はシリーズの編者が出ていますが)。すでに発表されている原稿の寄せ集めではあるが、こういう問題があるんだなぁというのを概観するには良いと思う。結局「男」「女」という二つの箱に押し込められて苦しいのは男性も女性も同じってことですね。
どうでもいいけどジェンダー論を読んでいると橋本治がちょくちょく引用される(しかも概して高評価)のが面白い。おしゃべり文体と「俺はすごい」的スタンスのためについ「ふうーん」て流して読んじゃうんだけど、よく考えると確かに鋭いこと言っているんだよなあ。