教育再生の迷走

教育再生の迷走教育再生の迷走
苅谷 剛彦

筑摩書房 2008-11
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さすが苅谷先生、現場のこともよくわかってらっしゃる。こういうちゃんとわかってる人が大きな声で話をして欲しいのだがなぁ。「ポジティブリスト」の発想やマイナスの意識が現場を疲弊させ悪循環を招く、というのはもう明らかだと思うんだけど、こういう認識ってなかなか一般的にならない。そもそも「教育再生」とか言われると、「勝手に殺すなよ」とか思うよね。
原因を分析せずに雰囲気でなんとなく改革を進めようとする、事件をきっかけにバッシングが加熱して制度全体が批判される、とにかく犯人捜しをして排除する。政治と世論のあやうさに冷や汗が出る。そういう非合理的なメンタリティはニート批判や司法の厳罰化にも通底しているものだと思う。
あああ。何とか「プラスの意識」を集められないものかなあ。おらに元気を分けてくれ!