哲学の誤読
哲学の誤読 ―入試現代文で哲学する! 入不二 基義 筑摩書房 2007-12 売り上げランキング : 2219 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
青本・赤本の解説を「人生論的誤読」と「知識による予断」として批判する第二章が面白い。が、無理もないといっちゃおかしいが、この永井均の文章はほんとに難しいのだ。他の問題は後で本文を読んで「こんな深く(クリアに)読めなかったなー」と思ったものの、一応解答をまとめることが出来たのだが、永井均の問題(東大2002年第4問)はまともに解答が書けなくてちょっとショックだった。なんか……勉強しよ。
一方、中島義道の早稲田の問題は、本文も読みにくくはないのだけど、なんせ問題が簡単すぎて拍子抜け。ちょっと手抜きしてない?と思うくらいだった。
ともあれ、四人の名前を見ただけでも面白いのは保証つきという感じだけど、加えて入不二さんの「しつこい」読みも楽しめるお買い得の一冊。特に受験生と国語の教員は必読です。
著者は「哲学」に触れる機会として、「現代文」の授業の可能性にも触れていて、触発されるところもあった。実際、自分が受験生だった時には「現代文って哲学だなー。哲学って面白いなー」という実感があったことを覚えている。いろいろやってみたいことはありますねぇ。