裁判員制度の正体

裁判員制度の正体 (講談社現代新書)裁判員制度の正体 (講談社現代新書)
西野 喜一

講談社 2007-08-17
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裁判員制度がいかに無用で違法で粗雑で不安で過酷で迷惑な制度であるか懇々と説いた本。「これでもか!」な語り口にうんざりする人もいるかもしれない。著者は元判事なので、その立場の分も割り引いて読む必要はある。しかし私はもともと裁判員制度やその根底にある「専門家の判断より素人の感覚の方が正しい」という感覚自体にあまり賛成できなかったので、割合と納得しながら読めた。そしてこの内容に納得するということは、新制度に恐怖するということでもある。ぎゃー。なんとかしてやめることはできないものだろうか。
赤紙」から逃れる方法も解説してくれている。私がもし裁判員に選ばれてしまったとしたら合法的に逃れる方法をとると思う。でももし被告人の側に立つことになってしまったとしたら。自分と同じような感覚を持っている人は裁判員を受けないだろうから、私が理解できないような感覚の素人に裁かれるわけでしょう?考えるだに恐ろしい。間違っても重大刑事事件は起こさないようにしよう。って、これが抑止力になったりして。それがねらい?なわけないよな。