数に強くなる

数に強くなる数に強くなる
畑村 洋太郎

岩波書店 2007-02
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わはは、こりゃ面白い。タイトルはつまらないハウツー本のような印象を与えるけど、要は「数を作る」という作業が自分で出来るようになることが必要だということ、そういう見方の提示をしている。
「数を作る」ために、基準となる数のモノサシを持っておく(たとえば「お風呂より熱い」なら「43℃以上」とか、歩幅は身長の半分とか)。作ってみた数を見て、倍や半分の誤差なら許容範囲、ケタ違いは許されない(そこには質的変化がある)。数の個性の話(約数の多い数・少ない数、7は3が欲しい、25は4が欲しい等々)、「日本国勢図会」の数字を全部一人あたりに直すと…なんて話も面白かった。ビリオン・トリリオンの表す数が英米で違うというのも実は初めて知りました*1
「蛇足」であふれた軽妙な語り口とか微妙な図解とかが読み進むほどにツボにはまる。この読みやすさが「岩波新書にあるまじきこと」とか思う人もいるかもしれないけど、私は好きです。サクサク読めるので小中学生にもオススメ。
数学畑の人が読むとどうなのかな、というのも興味あり。ちなみに著者は『失敗学のすすめ』『直観でわかる数学』の著者でもあり、NHK教育「マテマティカ2」の監修もつとめているのだそうだ。タイトルは聞いたことあるけど、読んだことなし。ちょっと見てみようかな。

*1:学校で習ったのはアメリカ方式だった。学校英語はアメリカ英語なんだねー。あらためて。