科学者は神を信じられるか

科学者は神を信じられるか―クォーク、カオスとキリスト教のはざまで (ブルーバックス)

科学者は神を信じられるか―クォーク、カオスとキリスト教のはざまで (ブルーバックス)

著者は聖職者になった科学者という珍しい人。なるほどな、と思ったたとえ話は以下のようなもの。
あなたが死刑囚だとして、目隠しをされ、銃声を聞き、しかも自分が死んでいないことを発見したとしたら、解釈は二通りできる。何か偶然弾が外れるようなことが起こったか、執行人があなたの味方であるか。論理的にはどちらかに決まるわけではない。
要するに、神様がいると考えて不都合なことはないし、むしろその方が納得できるということだと思う。
美が科学とは別次元にあるように信仰と科学も二律背反のものではないという考え方には納得できるし、信仰の内側の視点からの説明としては説得力があった。
ただ、その神様がキリスト教の神でなくてはならない理由というのはやっぱり見えないなぁ。