東大CoREFワークショップ

東大本郷の小島ホールでワークショップに参加してきた。テーマは「聞くと読むではどう違う?−納得の仕組み:学術俯瞰講義を題材に−」で、ジグソー学習法を体験。
ジグソー法とは、まずグループごとに違う情報をインプット→違うグループのメンバー同士で新たにグループを作る→自分の知っている情報をグループの他のメンバーに説明する、というもの。このやり方だと、自分の持っている情報はグループでは自分しか知らないので、説明する責任も感じるし、話をする動機付けにもなる。
この最初の段階で情報をインプットする際、「読む」のと「聞く」のとではどう違うだろうか、というのが今回のテーマ。小宮山先生の講義を動画で視聴するのとテキストで読むのとを両方やってみる体験もした。(小宮山先生の講義は物質の性質とか製造とか応用とかの話でした。激しく理系でした。理系の話は久しぶりで楽しかった。)
「聞く」のは話し手がジェスチャーを加えたりアクセントをつけたりするのでわかりやすい。わからなかったことは聞き流して忘れてしまうので、よけいにわかった気になる。批判的に聞くのは難しい。聞き手は受動的でも情報が入ってくる。とっつきやすい。
「読む」のは自分のペースで行きつ戻りつできるのが利点。また、紙は一覧性が高く全体の構造を把握しやすい。批判的な思考はしやすい。一方で読むというのは能動的な行為なので、興味が持てないとなかなか頭に入らないこともある。
などなど、「聞く」と「読む」はそれぞれ違った特徴があるけど、両方必要だよね。ってそりゃそうだ。自分で体験してみて、聞く→読むの順番が非常に理解しやすかったので、講義→教科書で復習っていうのはいいっぽい。ただ予備知識なしに聞いてもポカーンとなるので、知識が少ない場合は読む→聞く→読む、つまり予習→授業→復習とやるのがよかろう、なんて話にもなった。
CoREFのサイトには学習科学に関する資料もあって面白い。授業実践の理論化は大学の先生にがんばってもらいたいところで、そういう意味でも期待している。