これからの「正義」の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学
マイケル・サンデル Michael J. Sandel 鬼澤 忍

早川書房 2010-05-22
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暴走する路面電車、金持ちへの課税、傭兵と代理出産アファーマティブ・アクションなど、数々の具体的な(それゆえ刺激的な)道徳的ジレンマを検討しながら、「幸福の最大化」「自由の尊重」「美徳の促進」という正義に関する異なる考え方を見ていく。
個人的にはロールズ的なリベラリズムに共感を覚えるので、筆者の共同体主義的な考え方が打ち出される後半は理解しにくい部分もあるのだが、道徳哲学の大きな流れが見えてくる良書。これを入り口に個々の哲学者の思想を学んでいけるといいな。★★★★。
そういえば、一昨日放送されていた「白熱教室@東京大学」も見た。東大生みんながんばってたね。それにしてもサンデル教授は授業がうまいな。極端な例を出したり条件を変えたりしながら原理的なところに話を持っていく。あのやりとりを千人相手にできるんだからすごい。学びたいわー。