1Q84 book1,2,3

うちの両親が持っていたので借りて読んだ。二日で三冊を一気読み。本当ならbook2まで読んでいったん「これで終わり」と思ってからbook3を読むべきだったのかもしれない。しかし少しずつ読んでいたら読み終われなかったかもしれなかったので、続けて読んでよかったとも思う。(以下ネタバレ注意)

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
村上 春樹

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「青豆」「天吾」ふたりのストーリーが交互に進み、次第に接近していく。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』や『海辺のカフカ』のパターン。私の好みの形式ではある。説明的な長台詞と固有名詞の連発もまたお馴染みのハルキ節。ツッコミを入れたくなりつつも、先を読ませるストーリーテリングの巧さはさすが。カルト集団についてのルポルタージュ的な側面もある。相変わらず性描写は過剰だが、青豆の衝動にも天吾の習慣にもそれなりに納得できた。まだ全体像は見えないものの、どのように展開し収束するのかという期待(と不安)を持たせる。
1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
村上 春樹

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えーん。だんだん私のダメなパターンになってきちゃったよう。天吾とふかえりの性交シーンで一気にしらけた。青豆が死のうとするところにも必然性を感じられない。テンション下がってきたけどもう一冊がんばって読む。
1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
村上 春樹

新潮社 2010-04-16
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book3でちょっと持ち直した。まず牛河の視点が加わったのは良かったし、青豆の「処女懐胎」と生きる意志が書かれたことによって、book2に対する「ハァ?」という気持ちも一応解決された。が、まあ結局はオカルトでも何でもありな世界なんですねーというのが、ちょっと残念。純愛→ハッピーエンドの結末については、これでいいと思う。
作品全体の感想としては、「良くも悪くも村上春樹」という感じ。やっぱり主人公はモテなきゃいけないし筋トレもしなきゃいけないんだなぁ。でも今回は女性の内面と父親の死が描かれていて、そのへんは良かった。★★★。
「天吾くん、あなたはどこにいるの?」という青豆のモノローグに、これはもうひとつの『ノルウェイの森』なのかな、という気がした。もちろん、エンディングの緑の台詞だ。最初の二冊は装丁も赤と緑だし。
だとしたら『ノルウェイの森』もやはりハッピーエンドとして読むべきなのか?またはハッピーエンドに書き直したと読むべきなのか?どっちでもいいんだけどさ。ちなみに『ノルウェイの森』の結末について夫と話したとき(私の意見はこの記事の後半を参照)、「よく覚えてないけど、男はみんな脳天気に読んでると思うよ」と言われて「なんと!」と思った。でも男子読み・女子読みってあるよね。