ヴィヨンの妻

ヴィヨンの妻 (新潮文庫)ヴィヨンの妻 (新潮文庫)
太宰 治

新潮社 1950-12
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学生時代に太宰に傾倒できなかった時点で「文学少女」になることはあきらめたのだけども。うーん。妻子を苦しめ罪悪感を抱えながら酒と女に走らずにはおれず死を考える…という主人公(≒太宰)のダメ夫ぶりに、やはりイライラ(というか呆れ)が先に立ってしまう。これが文学ってものなんでしょうかね。とはいえ文章は流暢で読みやすく、妻視点の「ヴィヨンの妻」「おさん」やパターンから少しはずれた「トカトントン「母」は面白く読めたし、「家庭の幸福」で描かれる家庭人のエゴイズムに対する批判なんかも面白かった。★★★。