それでも、日本人は「戦争」を選んだ

それでも、日本人は「戦争」を選んだそれでも、日本人は「戦争」を選んだ

朝日出版社 2009-07-29
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現代から振り返って「戦争をした日本はただひたすら愚かだったのだ」と慨嘆するだけでは、反省したことにはならない。もちろん、変に開き直るのも思考停止という点では同じ。当時の情況を丁寧に検討することで、日本が意外と戦略的に考えて動いていること、判断を誤る時にはそれなりに理由があることが見えてくる。歴史の見え方が変わる。これは開き直りとは違うと思う。
高校生相手の講義がもとなので読みやすく、それでいて研究成果への言及の仕方が誠実で、新しい成果も研究者の名前を挙げながら引用しているのが好感度高し。
追記:…と思ったんですが、killhiguchiさんのコメント欄のご指摘(リンク先)を見てうーんとなりました。とりあえず評価は保留。
追記:ある視点から見た判断のロジックを再構成する資料的な意味はあるとして、研究者がそれに同化してしまうかどうか。他の視点がありうることを示唆すること、実際に他の視点からの歴史が書かれることが必要だということだと思う。まあ、人名は現地読みした方がいいよね。