教育の職業的意義

教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ (ちくま新書)

筑摩書房 2009-12
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本書で提案される「教育の職業的意義」では、従来の職業教育でイメージされるような、職業的技能を身につけ仕事の世界からの要請に応える<適応>の側面だけでなく、労働関係法制度の正しい知識や交渉の方法を身につけることによって自分を守る<抵抗>という側面を重視する。
そして「教育の職業的意義」を見失っている現代日本の社会は、歴史的・国際的に見て特異な状況にあり、これが労働市場のあり方の変化とあいまって、非正規労働者・正規労働者ともに過酷な働き方を強いていることを明らかにする。
昨今の教育現場で叫ばれる「キャリア教育」「人間力」「生きる力」といった曖昧な概念に対する批判も痛快。

このままでは、教育も仕事も、若者たちにとって壮大な詐欺でしかない。私はこのような状態を放置している恥に耐えられない。

と言い切る本田先生カコイイ。後期中等教育の現場で働く者としても、その熱い想いを受け止めねばと思う。★★★★。