華氏451度

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)
Ray Bradbury

早川書房 2008-11
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華氏451度はおよそ摂氏233度。紙が自然発火する温度、とのこと。
「本」が禁じられ、テレビとラジオのわめき声だけに囲まれた世界で、ファイアマン=焚書官として働く主人公。ふとしたことから本の中にある知識や考えることに目覚めてしまい、大変なことになる。徹底的に考えることから遠ざけられていく人々の描写がなんだかリアル。そしてクラリスは萌え(笑)。あと機械シェパードが超怖いです。
オーウェルの『1984年』とも通じる世界観だが、娯楽作品としてはこちらの方が楽しめる。これをもっと軽くすると有川浩の『図書館戦争』だね。
スピーディーで悲劇的な展開、しかし、最終的に人間は本や本に象徴される知性を(なぜ?と問うことを)手放さないだろうという希望を感じた。★★★★★。