「個性」を煽られる子どもたち

「個性」を煽られる子どもたち―親密圏の変容を考える (岩波ブックレット)「個性」を煽られる子どもたち―親密圏の変容を考える (岩波ブックレット)

岩波書店 2004-09
売り上げランキング : 39055
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools
最近の子どもたちにとって、親密圏が非常に重たいものになっており、身近な友達との関係性を維持することに過剰に気を遣う反面、公共圏の他者に対しては無関心で存在すら意識していない、と指摘。彼らにとって「個性」とは他者との関係で鍛え上げていくものではなく、生まれながら内面に持っている原石のように考えられている、という。
これらの指摘はおそらく妥当だし現実に子どもと向き合う際に参考になるが、個人的にはそうやって「個性」を煽る社会的圧力がどういった構造から生まれてくるのかというところに興味がある。昔の子どもが外向きだったとすれば、当時と今とでどんな社会的条件の違いがあるのか。後半で触れられている「多様化」がポイントになるのだろうか。★★★。