受験生のための一夜漬け漢文教室

受験生のための一夜漬け漢文教室 (ちくまプリマー新書)受験生のための一夜漬け漢文教室 (ちくまプリマー新書)
山田 史生

筑摩書房 2008-10
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父(高校の国語の教員)と娘(漢文がちょっとだけ苦手な高校三年生)との対話形式で、漢文の大事なところをおさえちゃうぞ、という本。日本語にとって漢字がどういう存在か、漢文を訓読するってことがどういうことなのか、といった根っこのところから説き起こしてくれるのがとても良い。全く初めての人には難しいだろうし、本気で一夜漬けにかけるのも危ないと思うけど、ちょっと習ったことはあるけどぉ〜というぐらいの人が、おさらいをしつつこれからの学習を楽しんでいくのには最適、という感じ。ところどころひっかかるところもあったけど*1、全体としてはとても良い本。あとがきに見える著者のゆるいスタンスが好み。
とにかく娘がやたら年寄り臭いのが受ける。漢文が苦手とか言いながらめちゃめちゃ博識だし。まあなんせ対話形式は読みやすいせいか最近よく見かける気がするが、中でも「父と娘」っていう設定は多いんじゃないかと思う*2。なぜだろう。著者におじさんが多いからってだけじゃないよな。「母と息子」「父と息子」「母と娘」…いや、それはそれでありなのかな。ちょっと実例を集めてから考えます。

*1:副詞をひらがなで書いちゃえっていうところがあって、えっ!と思った。普通、学校では付属語(助詞・助動詞)をひらがなにして自立語は漢字のまま書き下すように教えるはず…。いや、書き下し自体はどんなやり方もアリだと思うんだけど、受験生的に大丈夫なのかしら、と。177頁で直前に返るのにレ点じゃなくて一二点を使ってるのは誤植かな。あと日本語に関する記述で、ん?と思う箇所も数カ所あったが、まあそれはそれで。

*2:とりあえず念頭にあるのは『父と娘の法入門』(大村 敦志・岩波ジュニア新書)これも良書。