みんなが手話で話した島

みんなが手話で話した島みんなが手話で話した島
ノーラ・エレン グロース 佐野 正信

築地書館 1991-11
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ボストンの南のマーサズ・ヴィンヤード島では、遺伝の関係から聴覚障害を持ってうまれる確率が高かった。この島ではろう者も健聴者もごくふつうに手話を使って話をすることができた。ろう者は仕事をしたり結婚・出産をする上でも健聴者と何ら変わるところなく生活しており、そこに「ハンディキャップ」は存在していなかったという。
現在ではろう者も手話を使う人もほとんどいなくなってしまったそうだが、この島の事例は障害をもつ人ともたない人が、ごく普通に共生していくための理想的ともいえる可能性を示している。
身体的な機能の障害が社会的なハンディキャップとなるかどうかは、まさに社会のあり方によるのだということがよくわかる。(『手話の世界へ』でオリバー・サックスが言うように、状況によっては健聴者の側が「障害者」ともなりうる)
ところでこの本を読もうと思って探したところ、どこも品切れで買うことができなかった。もう刷らないのだろうか。いい本なのになぁ。図書館で探すしかないかーと思っていたら、先輩先生が持っていて貸してくれた。どうもありがとうございます。