「日本文化論」の変容

「日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー「日本文化論」の変容―戦後日本の文化とアイデンティティー
青木 保

中央公論新社 1999-04
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ベネディクトの『菊と刀』以降、戦後の「日本文化論」がその時々の情勢と対応してどのように変容してきたか、「否定的特殊性の認識」(1945-54)、「歴史的相対性の認識」(1955-63)、「肯定的特殊性の認識(1965-76,1977-83)、「特殊から普遍へ」(1984-)と四期に分け、流れを追う。イデオロギー・大衆消費財としての「日本文化論」から一歩距離を置き、それを俯瞰するというスタンス。1990年に出た本なので冷戦終結後の状況までは書かれていないが、現在もイデオロギーとして・大衆消費財としての「日本文化論」は健在と言っていいと思うので、考えるにあたって参考になる本だと思う。こういう言説についての言説って面白い。