一神教の誕生

一神教の誕生-ユダヤ教からキリスト教へ (講談社現代新書)

一神教の誕生-ユダヤ教からキリスト教へ (講談社現代新書)

よくある民族宗教として出発したユダヤ教。苦難に遭うユダヤ人に対して神が動かないことから、人間側に罪があるのではないかと考える。契約という概念や律法主義・神殿主義の意味は、神との断絶を前提としながらもつながりを保とうとすることにある。そこへ登場したイエスの主張は「神は人間を愛している・断絶はない」という情報だったという。そのイエスが神格化され、教会が中心となっていくことの問題点。などなど。
キリスト教については中高時代に聖書を読む機会があったので多少のイメージは持っていたけれど、そのぼんやりしたイメージが再構成されていく感じで、腑に落ちる、という形容が似合う。当時の社会状況とかあんまり知らなかったから、説明に納得しつつ興奮。神学的な整合性を追求する議論というのも新鮮だった。宗教学っちゅうのも面白いかもね。